アオテアロア(白く長い雲のたなびく地)からの提案
〜アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラムについて〜
アオテアロア
とアイヌモシリをつなぐ太い糸がいま紡がれようとしています。アオテアロアとはニュージーランドを指すマオリ語で、白く長い雲のたなびく地という意味です。ニュージーランドの先住民族マオリの国会議員テ・ウルロア・フラヴェルさんからアイヌ民族に素晴らしい提案が届きました。4週間~6週間、ニュージーランドに滞在して、マオリのさまざまな取り組みを研修して欲しいという提案です。フラヴェルさんは1月にマオリ党所属のニュージーランド国会議員として、アイヌ民族党結党大会に出席するために来日された折、一週間という短い滞在期間でしたが、北海道と東京で活動しているウタリ(同胞)と会い、アイヌ民族の現状の一端を見聞されました。困難な状況のなかで、アイヌ語の復興、アイヌ文化の伝承、現状改善に努力しているウタリの姿に接して、同じ先住民族としてアイヌ民族に手を差し伸べたいという思いを強く持って帰国されました。フラヴェルさんの帰国から1週間後には、早々と招聘プログラムの案が私たちに届きました。そして、もうすでに、ニュージーランド国内の受入れ態勢が整いつつあります。
私は、2009年にWIN-AINUのメンバーとして、AIO/AMOがニュージーランドで実施した、リーダー育成のためのアンバサダー・プログラムに参加しました。マオリの人たちの温かい、熱い心に接し、とても力づけられ、私は自分がアイヌであっていいと思えるようになりました。そのとき出会ったマオリの人たちの大きな、優しい心が、いまの私の活動の大きな支えになっています。ウタリにとって、フラヴェルさんたちが提案する交流プログラムはとても大きな経験になると信じています。マオリはニュージーランドの人口の15%を占め、社会的に大きな力を持っています。彼らの歴史、文化、政治から私たちが学ぶものはたくさんあります。
このプログラムを実現するには、資金集めなどいろいろな課題があります。その課題を乗り越えて、意欲のあるウタリをニュージーランドに派遣しようと実行委員会ができました。アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム実行委員会という名称です。この実行委員会は、フラヴェルさんと出会ったウタリ、そしてこのプログラムを実現しようという熱意のある個人で構成されています。
先住民族として私たちの同胞であるマオリの人たちの取り組みを目の当たりにし、彼らの熱い思いを肌に感じながら、自分がアイヌであることの意味を模索することは、大きな実りをもたらすはずです。このプログラムに参加するウタリにとって、先祖が私たちに残してくれたアイヌの伝統の深さや大きさに改めて気づく機会になることを願っています。
また、アイヌ民族に関心を持ってくださる、志ある多くの皆さまには、ひとりでも多くのウタリを派遣できるようにご支援・ご協力を心からお願いいたします。
※プログラムの目的、内容、募集、実行委員会などの詳細は、左の欄のそれぞれの項目をクリックして下さい。